マキネッタとエスプレッソマシンの違いは? 美味しくない理由

マキネッタとエスプレッソの違いは?

マキネッタとエスプレッソマシンは異なる抽出器具です。

直火式エスプレッソマシンという名称から勘違いされる方も少なくありませんが、マキネッタ(モカポット)は“モカコーヒー”を抽出するための器具であり、エスプレッソマシンとは全くの別物です。

この点に誤解があると、「おいしくない」という感想を生むことになります。

マキネッタとは?

マキネッタとは?

マキネッタは、モカコーヒーを抽出する器具です。

モカコーヒーの特徴は、何といっても濃厚な味わいです。たっぷりの砂糖を加えたモカコーヒーの味は、しばしば“チョコレート”に喩えられています。ヨーロッパを中心に広く親しまれており、日本人にとっての“急須”のような存在です。

エスプレッソマシンではありません。

厳密に言えば「1900年ごろのエスプレッソに似ている」とはされていますが、現在では明確に区別されています。「エスプレッソ=バル(カフェ)で飲むコーヒー」「モカコーヒー=自宅で楽しむコーヒー」のようなイメージです。

モカコーヒーとエスプレッソには、それぞれに異なる良さがあります。

エスプレッソマシンとの違いは?

エスプレッソマシンとの違いは?

モカコーヒーとエスプレッソの抽出原理は似ています。

どちらも“透過式抽出”と“加圧濾過”によって抽出されるコーヒーです。しかし、抽出温度、抽出圧力、メッシュ(粒度)には大きな違いがありますので、当然、抽出されるコーヒーには異なる特徴を有することになります。

以下は、主な抽出原理の違いです。

抽出変数マキネッタエスプレッソ
抽出温度約100℃90~95℃
メッシュ(粒度)細挽き極細挽き
抽出圧力約2気圧約9気圧

基本的に、エスプレッソは洗練されています。

たとえば、マキネッタには抽出温度が高いために“嫌な苦味”が生じますが、エスプレッソには抽出温度が(マキネッタほどには)高くないことに加えてクレマによる“気泡分離”の作用があるために嫌な苦味が感じにくくなっています。

モカコーヒーには、良くも悪くも“野暮ったい苦味”があります。

MEMO
気泡分離とは、気泡が一定の成分を吸着する作用のことです。エスプレッソの“顔“ともいえるクレマには、コーヒーの嫌な苦味や雑味を感じにくくさせる効果があります。そのため、エスプレッソはクレマが消える前に飲み終えるようにすることがポイントになります。

マキネッタがおいしくない理由は?

マキネッタがおいしくない理由は?

マキネッタは、おいしいコーヒーを抽出できます。

しかし、エスプレッソマシンと混同していたり、砂糖やミルクを加えずに飲むことにより、「舌にまとわりつくような苦味や雑味がある」「粉っぽくて飲みにくい」などの不満を持つことも珍しくはありません。

また、豆の味をダイレクトに抽出する器具でもあります。

ポイント仕組み
砂糖苦味への抑制効果
ミルクコロイド粒子への吸着
細挽き最適な抽出効率

モカコーヒーには、モカコーヒーの飲み方があります。

基本的には、砂糖やミルクを加えて飲むべきコーヒーです。モカコーヒーには強い苦味や雑味がありますので、砂糖の持つ“抑制効果”や、ミルクの持つ“コロイド粒子への苦味や雑味の吸着”といった作用を利用します。

事実、本場イタリアであっても砂糖をたっぷりと入れて飲むのがセオリーとなっています。

MEMO
ミルクに含まれるコロイド粒子には、“臭いや雑味を吸着する”といった働きがあります。これは一般的な料理にも利用されている仕組みであり、レバーや魚介類を牛乳に浸すことがあるのはコロイド粒子に嫌な臭いを吸着させることが目的のひとつになっています。

【まとめ】マキネッタとエスプレッソの違いは?

マキネッタとエスプレッソマシンは、異なる抽出器具です。基本的に、マキネッタは家庭で楽しむためのものであり、エスプレッソはバル(カフェ)で楽しむものです。基本的な抽出原理は似ていますが、実際に抽出されるコーヒーは似て非なるものです。モカコーヒーとエスプレッソには、どちらにも異なる良さがあります。

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