ドライイーストの種類による違いは? サフの3種類について

ドライイーストの種類による違いは?

ドライイーストには、種類があります。

料理には、イースト菌(サッカロマイセス・セレンビシエ属種)の持つ「有機化合物を分解してアルコールと二酸化炭素を生成する」という性質が利用されています。「ブドウ糖→エタノール+二酸化炭素」という反応です。

しかし、属種の同じ酵母菌であっても同じ働きをするとは限りません。

ドライイーストの種類とは?

ドライイーストは、いくつかの種類に分けられます。

たとえば、サフ(ルサッフル社)のドライイーストを例にすると「赤ラベル」「青ラベル」「金ラベル」の3種類に分かれています。これらのドライイーストは、作りたいパンの特徴に応じて使い分けることになります。

以下は主な特徴です。

種類特徴
赤ラベル低ショ糖型
(ビタミンC添加)
青ラベル低ショ糖型
(ビタミンC無添加)
金ラベル高ショ糖型
(ビタミンC添加)

これらのドライイーストは、生地タイプやミキシング方法などにより使い分けられることになります。

低ショ糖型と高ショ糖型の違いは?

パンは、リーンとリッチに分けられます。

糖質(単糖類)で分類する場合、リーンな生地とは糖質の少ない“低糖生地”であり、リッチな生地とは糖質の多い“多糖生地”ということになります。低糖生地と多糖生地とでは、異なる特徴を有する酵母菌を利用します。

以下は、生地の糖質量によるイーストの使い分けです。

生地タイプ酵母菌糖質量
リーン低ショ糖型イースト5%未満
リッチ高ショ糖型イースト8%以上

酵母菌は、単糖類を消費してアルコール発酵をします。

このことからも、基本的にはブドウ糖、果糖、麦芽糖などの糖類は酵母菌にとっての栄養源となります。しかし、同じイースト菌(サッカロマイセス・セレンビシエ属種)であっても、低糖を好む菌もいれば高糖を好む菌もいます。

そのため、糖の濃度によってイーストを使い分けることになります。

MEMO
低ショ糖型と高ショ糖型での代用はできません。低ショ糖型のイーストをリッチな生地に使うと「細胞の脱水により生体活性が低下」しますし、高ショ糖型のイーストをリーンあ生地に使うと「ショ糖が少なすぎて活動できない」ことになります。

ビタミンC添加による使い分けは?

ドライイーストには、ビタミンC添加による違いがあります。

パンが膨らむのは、小麦粉をミキシングすることによってグルテンが生成されるためです。グルテンは粘弾性のある膜を作りますので、イースト菌の生成した二酸化炭素を逃がさずに生地が膨らむことになります。

ビタミンCには、グルテンの粘弾性を高める効果があります。

種類使いどころ
ビタミンC添加だれやすい生地に
ビタミンC無添加ハード系の低温発酵などに

ビタミンCは、pHを下げてグルテンを強化します。

このことからも、水分量が多くだれやすい生地や手ごねでミキシング不足になりやすい場合などにはビタミンC添加のドライイーストが選ばれます。

MEMO
ドライイーストの袋(アルミ蒸着袋)は真空パック器にて空気を抜いて密閉することができます。ドライイーストは保存方法さえ間違えなければ短期間のうちに大きく劣化することはありませんので、多少無駄にしてしまったとしてもトータルで考えれば節約になります。

【まとめ】ドライイーストの種類は?

ドライイーストには、糖濃度とビタミンCの有無による違いがあります。基本的には、リーンな生地には“低ショ糖型“が選ばれ、リッチな生地には”高ショ糖型“が選ばれます。ビタミンCの有無に関しては、ミキシングや発行条件の違いによって使い分けられることもあります。

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