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こんにちは、めしラボです。
鉄フライパンは堅牢さと焼き色の付きやすさが魅力のフライパンです。料理によってはフッ素樹脂加工(テフロン加工など)のフライパンを使うよりも格段に美味しくなりますし、工業的な樹脂加工が施されていないためによほどのことがければフライパンがダメになることもありません。
おすすめできるフライパンです。
今回の記事は次のような人におすすめ!
- 鉄フライパンに向かない料理とは?
- トマト料理などにより使いにくくなってしまう理由は?
- フッ素樹脂加工のフライパンからの完全な切り替えはおすすめできない?
鉄フライパンにも苦手な料理はあります。
鉄フライパンは中華鍋よりも焼き物に向いており、スキレットよりも炒め物に向いています。これは中華鍋よりも熱容量が高く、スキレットよりも靭性(粘り強さ)に優れているためです。このことからも比較的汎用性の高い調理道具であるといえます。
しかし酸の強い料理や煮込み料理を苦手としているために鉄フライパンを導入する場合にはフッ素樹脂加工のフライパンとの併用をおすすめしています。
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鉄フライパンに向かない料理とは?
鉄フライパンは汎用性の高い道具です。
フッ素樹脂加工のフライパンよりも圧倒的に堅牢でありながら、中華鍋よりも熱容量が高いためにステーキやハンバーグなどを美味しく焼けますし、スキレットよりも靭性(粘り強さ)に優れているために野菜炒めなどを炒めやすくなっています。
以下は中華鍋(t1.2)、鉄フライパン(t2.3)、スキレット(t5.0)ほどの板厚を想定した場合の主な特徴です。中華鍋と鉄フライパンには同じ性質の鋼材が使用されているため、板厚によっては特徴が変わることもあります。
スキレットは鋳鉄であるために根本的な違いがあります。
重さ | 熱容量 | 靭性(粘り強さ) | 硬度(耐摩耗性) | |
---|---|---|---|---|
中華鍋 | ○ 普通 | △ 普通 | ○ 高い | ○ 優れている |
鉄フライパン | △ 重い | ○ 大きい | ○ 高い | ○ 優れている |
スキレット | × とても重い | ◎ とても大きい | × とても低い | ◎ とても優れている |
鉄フライパンは汎用性の高さが魅力です。
しかし「鋼鉄で作られている」「工業的な樹脂皮膜ではなく油脂を酸化重合させることにより樹脂皮膜(油膜)が形成されている」などの特徴からもpH(水素イオン指数)の偏りには弱い傾向があります。
また煮込み料理によっても使いづらくなってしまうことがあります。
トマト料理が苦手な理由とは?
鉄フライパンはトマト料理が苦手です。
これは鉄フライパンの表面がトマトの酸により溶かされてしまう(イオン化されてしまう)ためであり、鉄フライパンでトマトの煮込み料理などをすると料理が鉄臭くなります。また同様の理由からワインやコーラ、ビールを使った料理にも向いていません。
鉄は料理により溶かされやすい金属です。
金属のイオン化傾向は「アルミニウム(Al)>鉄(Fe)>銅(Cu)」の順番ですが、アルミニウムには空気に触れることや米のとぎ汁を煮立たせることなどによりアルマイトに似た簡易的な保護皮膜を形成させる特徴があります。
そのため調理におけるイオン化傾向は鉄の方が大きいと考えられています。
鉄フライパンが酸を含む料理を苦手としているのは事実ですが、絶対に調理をしてはいけないわけでもありません。チリソース炒めや甘酢炒めなどのように短時間で済む料理であれば大きなダメージにはなりませんので過度に心配する必要はありません。
煮込み料理が得意ではない理由とは?
鉄フライパンは煮込み料理も苦手です。
鉄の調理道具で煮込み料理をすること自体に問題はありません。事実、ダッチオーブンなどは煮込み料理を得意としています。しかし焼き物(鉄板を熱媒体とした焼き方)をすることの多い鉄フライパンでは油膜が緩んでしまいます。
シーズニングによって形成されている油膜の正体は頑固な油汚れに近いものですので、水を長時間に立たせるような調理法は油膜へのダメージになります。
鉄フライパンでの煮込み料理
油膜(樹脂層)が緩みやすくなる
油切れ(油膜切れ)が起きる
食材がくっつきやすくなる
時短レシピなどを参考にする場合には注意が必要です。
古典的なレシピではフライパンで炒めてから鍋に移して仕上げるような料理でも、時短レシピではフライパンひとつで仕上げてしまうことも珍しくありません。そのようなレシピを参考にする場合には鉄フライパンではなくフッ素樹脂加工(テフロン加工など)のフライパンがおすすめです。
鉄フライパンは比較的汎用性の高い道具ではありますが、万能ではありません。
まとめ・鉄フライパンに向かない料理は?
鉄フライパンはトマト料理や煮込み料理が苦手です。
これは鉄フライパンには工業的な樹脂皮膜(テフロン加工など)が形成されていないためであり、鉄は酸によりイオン化してしまいますし、シーズニングにより形成された油膜は煮込み料理により緩んでしまうことがあります。
そのためフッ素樹脂加工のフライパンとの併用(使い分け)をおすすめしています。
おすすめの関連アイテム
厚板フライパン 極(リバーライト)
- 材質:
- 鉄(特殊熱処理)
- 板厚:
- 3.2mm
- 重量:
- 0.83kg
リバーライトの厚板タイプです。
特殊熱処理(窒化処理)が施されていることに加え「3.2mmの厚板仕様になっている(通常タイプは1.6mm)」「木製のハンドルが採用されている」などの特徴があります。これにより「耐摩耗性や耐食性に優れる」「酸化皮膜を形成させる必要がない」「熱容量が高いことにより料理の仕上がりが良くなる」「ハンドルが熱くならない」などのメリットが得られます。
管理人のレビュー
特殊熱加工が施されていることに加え「一般家庭の台所においても違和感のないデザイン」が気になっています。現在使用している鉄フライパンはデバイヤーですが、機会があれば使いたい(切り替えたい)と考えています。
IH対応鉄フライパン(デバイヤー)
- 材質:
- 鉄
- 板厚:
- 2.5mm
- 重量:
- 1.38kg
デバイヤーの定番鉄フライパンです。
盛り付けをしやすいハンドル角度とデザインの良さが魅力の鉄フライパンです。高品質な厚板の鉄が使われていることもあり、安価な鉄フライパンと比べると格段に使いやすい(食材がくっつきにくくサビにくい)仕様になっています。
管理人のレビュー
デザインの良さが気に入って使っています。しかしデバイヤーの特徴ともいえるハンドル角度には「蓋が干渉してしまう」というデメリットもあります。お使いの蓋の流用を考えている場合には注意が必要です。
打出し 鉄 フライパン(山田工業所)
- 材質:
- 鉄(打ち出し)
- 板厚:
- 2.3mm
- 重量:
- 1.25kg
山田工業所の定番フライパンです。
通常の鉄フライパンはプレス(圧力を加えて成型する方法)などで作られていますが、山田工業所の鉄フライパンは打ち出し(たたいて成形する方法)で作られています。これにより鉄の分子が詰まり、硬く粘りのある性質を持つようになります。
管理人のレビュー
機能性を重視するのであれば山田工業所の打出し鉄フライパン一択かと思います。事実、多くの飲食店では山田工業所の鉄フライパンや中華鍋が好まれています。デザインが好みで台所の印象と合うのであれば心からおすすめできます。
竹ささら(遠藤商事)
- 材質:
- 竹
- 長さ:
- 235mm
- 重量:
- 105g
中華鍋に用いられることの多い竹ブラシです。
家庭での鉄フライパンの洗浄には少し長めに感じられるかもしれませんが、熱を持ったまま洗うことの多い鉄フライパンの洗浄では少し長めくらいの方が使いやすいです。気兼ねなく使える価格帯であることからもおすすめできます。
管理人のレビュー
一般的な竹ささらです。そのままでは硬く洗いにくいことからも「10分ほど煮る」「束ねられている部分に瞬間接着剤をしみ込ませる」「先端を剪定鋏などで斜めにカットする」などをして扱いやすくすることをおすすめします。
フライパン洗い ブラシ(マーナ)
- 材質:
- 馬毛
- 長さ:
- 25cm
- 重量:
- 80g
柔らかい馬毛のブラシです。
馬毛は耐熱・耐薬品性に優れているため、表面を傷つけることなく優しく洗い上げることができます。鉄フライパンを洗うには心もとなく感じられるかもしれませんが、ある程度育っているフライパンに洗剤を付けて洗う場合にはおすすめできます。
管理人のレビュー
鉄フライパンの扱いに慣れていない場合には竹ささらをおすすめします。しかしほとんど焦げ付かせることがなく育ってきた油膜を傷つけないように洗いたい場合などには重宝します。ある程度の油慣れをしているフライパンであれば洗剤で洗っても問題ありません。
超強力マグネットフック(Sendida)
- 材質:
- ステンレス鋼
- 耐荷重(垂直方向):
- 10kg
- 耐荷重(水平方向):
- 7kg
強力なマグネットフックです。
フック部分の回転する強力マグネットフックですので、溝やつなぎ目の少ないタイプのレンジフードでも鉄フライパンなどを吊るす(かける)ことができます。耐荷重は「垂直方向10kg」「水平方向7kg」ですので厚板の鉄フライパンであっても安心です。
管理人のレビュー
レンジフードには溝のあるタイプ(ブーツ型)と溝のないタイプ(スリム型)の2種類があります。ブーツ型の場合は溝に掛けるタイプのフックを使えますが、スリム型の場合には超強力なマグネットタイプのフックがおすすめです。