にんにくは、変色することがあります。
特に、すりおろしたり酢漬けなどにするとその反応は顕著であり、毒々しさを感じられるほどの“青緑色”に変色してしまいます。この変色に害はありませんので、気にせずに食べても何の問題もありません。
画像は、にんにくの塩麹漬けです。
青緑色に変色する仕組みは?

変色原因は、アルキルサファイド化合物です。
にんにくの細胞内には“アリイン(にんにくの香りや辛味成分)“が含まれています。アイリンは刺激を受けることにより”アリシン”という物質に変化し、さらには“アルキルサファイド化合物”へと変化していきます。
そして、アルキルサファイド化合物は鉄分と反応することで青緑色に変色します。
アルキルサファイド化合物は硫黄を含む化合物です。らっきょう漬けが青緑色に変色することがあるのはにんにくと同じ仕組みですし、ゆで卵の卵黄が黒緑色に変色するのも硫黄を含む化合物(シスチンやメチオニン)が鉄と反応することにより起こります。
この手の変色は、よく起こることです。
変色しやすくなる条件とは?

にんにくは、時間経過により変色します。
切ったりすりおろしたりしたにんにくは、アリインがアリシンへと変化します。アリシンは時間経過によりアルキルサファイド化合物(硫黄を含む化合物)へと変化しますので、にんにくに含まれている鉄と結びついて変色してしまいます。
当然、切ったりすりおろしたりしなければ(なかなか)変色しません。
補足説明
すりおろしにんにくの変色原因は、アルキルサファイド化合物と鉄分の結合です。しかし、酢漬けのにんにくの変色原因は明らかになっていません。「フラボノイド色素とマグネシウムの反応」「アルキルサファイド化合物と鉄分の反応」などといった仮説はあるものの、確実な理由は明らかになっていないのです。
にんにくの変色を防ぐには?


生にんにくの変色は、防げません。
生にんにくには、食塩添加、pH調節、アルコール添加などをしても変色します。確実に変色を防ぐためには“加熱(もしくは乾燥)“を必要としますが、生にんにく特有の風味は著しく損なわれることになります。
個人的には、無理に変色を防ぐことはおすすめしません。
たとえば、すりおろしにんにくは食塩添加により日持ちするようになります。数日で青緑色には変色してしまいますが、市販のおろしにんにく(チューブやボトルなど)と比べると確実に風味豊かなにんにくを味わうことができます。
変色と塩分が気にならないのであれば、おろしにんにくはストックできます。
まとめ
にんにくの変色理由は?
にんにくの変色理由は、にんにく特有の香り成分であるアリインが刺激を受けることでアリシンへと変化し、アリシンが時間経過によりアルキルサファイド化合物へと変化します。さらに鉄分と反応することにより青緑色へと変色してしまいます。