ぬか床の作り方は? シンプルな材料で作れるおすすめレシピ

ぬか床の作り方は?

ぬか床の作り方を紹介します。

今回紹介するのは伝統的なレシピです。他のレシピに目を通したことのある方からすれば「物足りない」「本当においしくなるのか?」などと考えてしまうかもしれませんが、長い目で見れば伝統的なレシピの方がおいしくなります。

長く管理し続けていきたい場合にはおすすめです。

ぬか床の材料は?

ぬか床の材料は?

ぬか床の材料は、目的により分類できます。

それが、基本の材料「米ぬか、粗塩、水」、うま味の材料「昆布、干し椎茸」、風味付けの材料「赤唐辛子、実山椒、柑橘類の皮」、微生物を移すための材料「種床(もしくは野菜くずなど)」になります。

意外に感じられるかもしれませんが、動物性のうま味食材は加えません。

MEMO
今回は米ぬか1kgでの分量を紹介していますが、家庭用精米機などで「すぐには1kgの米ぬかを用意できない」などの場合には半量の500gから始めても大丈夫です。ぬか床は足しぬかにより徐々に増えていくものですので、長い目で見れば米ぬかがたまるまで待つよりも早く始めた方がメリットは大きくなります。(※画像は全て半量で作っています

基本の材料は?

基本の材料は?

ぬか床を作るための基本の材料です。

ぬか床は、基本の材料と野菜があれば作ることができます。ぬか床とは米ぬかに各種微生物を繁殖させたものですので、米ぬかに水分を加えて野菜に付着している微生物(乳酸菌や酵母菌など)を移してあげればぬか床になります。

すごく、シンプルですよね?

材料分量
米ぬか(生ぬか)1kg
塩(粗塩)130~150g
水(浄水器の水)1.2L

ポイントは、新鮮な米ぬかであることです。

米ぬかはスーパーで販売されているものではなく、近所の米穀店やコイン精米機、家庭用精米機などから入手してください。スーパーで販売されている米ぬかは炒りぬかになりますので、生ぬかとは風味が異なります。

また、食塩は粗塩を選ぶことで食感の良いぬか漬けになります。

MEMO
ぬか床には定期的な“足しぬか”が欠かせません。また、米ぬか(生ぬか)はすぐに鮮度が落ちてしまいますので、米ぬかの入手先を確保できない場合には長期的なぬか床の管理は難しくなる可能性があります。塩分濃度に幅を持たせているのは、季節や捨て漬け頻度などにより最適な塩分濃度が異なるためです。暖かい時期は塩分濃度を強めにしてください。

うま味の材料は?

うま味の材料は?

うま味の材料は昆布と干し椎茸です。

昆布にはグルタミン酸、干し椎茸にはグアニル酸が含まれています。肉や魚のうま味であるイノシン酸を加えたくなるかもしれませんが、肉や魚は腐敗菌を増やしてしまうリスクが高まりますので、初期のぬか床に加えることはおすすめしません。

はじめは、昆布と干し椎茸が良いです。

材料分量
昆布10cm角2枚 (約10g)
干し椎茸1/2枚(約2~3g)

風味付けの材料は?

風味付けの材料は?

風味付けの材料には好みが分かれます。

もっともポピュラーなのは赤唐辛子ですが、山椒の実や柑橘類の皮などを加えることもあります。最初は赤唐辛子を加え、山椒の実や柑橘類の皮(黄柚子の皮など)は季節性のものですので後から(好みであれば)加えていけば良いかと思います。

個人的には、赤唐辛子と柑橘類の皮をよく加えます。

材料分量
赤唐辛子1~2本
柑橘類の皮適量
山椒の実適量

MEMO
赤唐辛子は種を取ったものを輪切りにして加えます。山椒の実はさっと湯通しして水にさらしてから加えます。柑橘類の皮はわたを取り除いた精油(エッセンシャルオイル)の含まれている部分を加えます。いずれも季節性のものですので、下処理をしてから冷凍しておくことをおすすめします。

発酵を促す材料は?

発酵を促す材料は?

米ぬかは、発酵させることによりぬか床になります。

ぬか床には「乳酸菌や酵母菌などの微生物」が必要であり、乳酸菌は爽やかな酸味を生み出し、酵母菌は芳醇な香りを生み出します。そのため、種床(すでに熟成しているぬか床)や野菜を加えることにより有益な微生物を増やしていきます。

種床の入手が難しければ、毎日出る野菜くずでも構いません。

材料分量
種床(熟成しているぬか床)500g以上
もしくは捨て漬け野菜たくさん

MEMO
種床を加えると、加えた種床の性質を色濃く受け継ぐことになります。このことからも、心からおいしいと思える種床が手に入らないのであれば、種床にこだわる必要はありません。旬の野菜からでる野菜くずを漬けているだけでも十分においしいぬか床になります。

ぬか床の作り方は?

ぬか床の作り方は?

いよいよぬか床を作っています。

ぬか床の作り方はシンプルです。基本的には、上記で説明した材料を混ぜ合わせて捨て漬けを繰り返すことにより3ヶ月ほどでぬか床と呼べるものになります。(※夏で2カ月前後、冬だと4カ月前後かかります)

技術的なことよりも、「手間をかけられるのか?」が問題です。

STEP.1
材料を準備します。
材料を準備します。

ぬか床の材料とぬか床容器を準備します。最適なぬか床の大きさは「野菜を漬ける量と頻度」に依存します。こればかりは始めてみなければ分からないところが大きいかと思いますので、まずは前項にて紹介した材料と6L前後のぬか床容器で作ってみることをおすすめします。

STEP.2
昆布と干し椎茸を水出しします。
昆布と干し椎茸を水出しします。

昆布と干し椎茸のだしを取ります。昆布と干し椎茸を水に浸け、1~2日間ほど冷蔵庫に入れておけばOKです。昆布と干し椎茸をぬか床に直接加えても問題はありませんが、水出ししてから加えた方がうま味を無駄なく抽出できます。

STEP.3
すべての材料を混ぜ合わせます。
すべての材料を混ぜ合わせます。

すべての材料(米ぬか、粗塩、昆布と干し椎茸を含んだだし汁、赤唐辛子など)を米ぬかの粉っぽさがなくなるまで混ぜ合わせます。種床がある場合は種床を混ぜ、ない場合は捨て漬け野菜(新鮮な野菜のくずなど)を漬けてから表面を均します。側面が汚れた場合には布巾やキッチンペーパーなどで拭き取っておいてください。

STEP.4
捨て漬けを繰り返します。
捨て漬けを繰り返します。

はじめの2~3日は、乳酸菌を増やすために天地返し(表層と低層を入れ替えるように混ぜ合わせること)をせずに放置します。3~4日目、古い捨て漬け野菜を取り出して天地返しをします。1日1回の天地返しをしつつ、2~3日おきに捨て漬け野菜を取り換えながら管理を続けます。

STEP.5
本漬けをできるタイミングは?
本漬けをできるタイミングは?

季節にもよりますが、2週間ほどで本漬けできる(漬けた野菜を安全に食べられる)ようになります。それ以前のぬか床は微生物のバランス(有益な微生物と有害な微生物のバランス)が不安定な状況にありますので注意してください。また、はじめは「しょっぱい」「漬からない」「うま味がない」と感じられるかと思いますが、それらは熟成が進むにつれて改善していきます。

STEP.6
ぬか床の熟成にかかる期間は?
ぬか床の熟成にかかる期間は?

ぬか床が熟成したぬか床と呼べるようになるためには、約3ヶ月(夏は2ヵ月、冬は4ヵ月)ほどかかります。これは、微生物の生育スピードには種類による違いがあるためであり、はじめは生育の早い微生物が優位になり、徐々に生育に時間のかかる微生物の割合も増えていくためです。どの微生物が優位になるのかは「管理している人や場所」「よく漬けている野菜」「米ぬかや風味付け材料の特性」などにより変化します。

基本的には室温で管理します。

しかし、ぬか床に生育する微生物は20~25℃くらいの温度帯を好みますので、夏は異常発酵を防ぐために冷蔵庫管理に切り替えた方が良いこともありますし、冬はリビングなどに置く(もしくは完全に冬眠させてしまう)こともあります。

この辺は、住宅環境やライフスタイルなどにより変化する問題です。(※私は12~2月の3ヶ月間は完全に冬眠させています)

【まとめ】ぬか床の作り方は?

ぬか床は、米ぬかに食塩と水を加えて作ります。はじめは練った米ぬかでしかありませんが、野菜に付着している乳酸菌や酵母菌にて発酵させることにより、さわやかな酸味と芳醇な香りを併せ持つおいしいぬか床に育っていきます。ぬか床の熟成には3ヶ月間ほどの時間を要しますが、作っておく価値は十二分にあるおいしさです。

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