味噌にアルコールが含まれている理由は? 酒精が添加される目的について

味噌にアルコールが含まれている理由は?

味噌にはアルコールが含まれています。

味噌に含まれる微量成分には「ビタミン類、アルコール類、有機酸、エステル、カルボニル化合物など」がありますが、アルコールは味噌の香味(香りや甘味など)に大きな影響力を持っています。

また、市販の味噌には流通時の変質を防ぐために酒精(醸造アルコール)が加えられることもあります。

味噌に含まれているアルコールの役割は?

味噌に含まれているアルコールの役割は?

アルコールは味噌の香味を良くします。

味噌に含まれているエタノールは酵母類の発酵により糖類から生成されたものです。味噌の芳醇な香りはアルコールによるところが大きいために仕込みの段階で前回の味噌を混ぜ合わせたり酵母菌を加えてアルコール発酵を促すこともあります。

たとえば(長熟型の味噌の場合)エタノールが0.1%以下のものは香りが悪く、0.5~1.2%ほど含まれているものは香りが良いとされています。

また、酵母の役割はエタノールだけではありません。

酵母はアミノ酸類を基質として高級アルコール(イソプロピルアルコール、イソブチルアルコール、イソアミルアルコール、アミルアルコール、ブチルアルコールなど)を生成しますし、有機酸とアルコールが反応してエステルが生成されます。

美味しい味噌にはアルコールが必要不可欠です。

酵母により味噌の味が変わる?

酵母により味噌の味が変わる?

手作りの味噌には空気中を漂う微生物が利用されます。

味噌には食塩耐性を有する酵母が増えていきます。基本的にはチゴサッカロミセス・ルキシー(Zygosaccharomyces)とキャンディダ(Candida)属だと考えられていますが、酵母の働きが全く同じになることはありません。

たとえば、酵母はグルコースを利用してアルコールを生成します。

グルコースは麹菌の生成した酵素(アミラーゼ)により生成されますが酵素の力価が弱ければ酵母の働きは鈍ることになりますし、プロテアーゼの働きが弱ければアミノ酸に作用して作られる高級アルコールの生成量も減ることになります。

また、分類上は同じ酵母であっても採取された場所により異なる特徴を有していることは珍しくありません。

市販の味噌に酒精が加えられていることのある理由は?

市販の味噌に酒精が加えられていることのある理由は?

味噌は包装すると膨らむことがあります。

味噌が膨らむのは微生物が活動して炭酸ガスを発生させるためです。微生物が活発に活動しているというのは「よい香りが強くなる」などの好ましい結果になることもあれば「異臭の原因になる」などの厭わしい結果になることもあります。

そのため対策が取られます。

対策方法仕組みデメリット
低温管理を徹底する微生物の働きを抑制するコスト高
加熱をする殺菌をする風味の変化
アルコールを添加する微生物の働きを抑制する成分表示への記載
ガス抜き穴を作る炭酸ガスを逃がす変質しやすくなる

理想は低温管理です。

しかし、流通や販売時の状況によっては温度管理が困難であることが多いことからも現実的な方法としてアルコールの添加(もしくはアルコールを添加した上でガス抜き穴のある包装)が主流になっています。

成分表に「酒精(醸造アルコール)」の記載があるのは食品添加物としての記載義務があるためです。

【まとめ】味噌にアルコールが含まれている仕組みは?

味噌にはアルコールが含まれています。たとえば(長熟型の味噌の場合には)エタノールが0.1%以下のものは香りが悪く、0.5~1.2%ほど含まれているものは香りが良いとされています。また、販売されている味噌の場合には流通時の変質を防ぐために酒精(醸造アルコール)が添加されることもあります。酒精が添加されている味噌には表示義務があるために成分表示にアルコール使用の記載を確認できます。

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