味噌には、複数の種類があります。
たとえば、材料による分類には「米味噌、麦味噌、豆味噌」がありますし、熟成期間による分類には「白味噌、赤味噌(淡色味噌、赤色味噌)」があります。また、塩分濃度による分類には「甘味噌、辛味噌」があります。
また、分解型味噌と発酵型味噌という分類方法もあります。白味噌の多くは分解型味噌であり、赤味噌の多くは発酵型味噌です。
以下、詳しく説明していきます。
材料による違いとは?
味噌は、大きく「米味噌」「麦味噌」「豆味噌」に分けられます。
米味噌は米麹を使って仕込む味噌、麦味噌は麦麹を使って仕込む味噌、豆味噌は豆麹を使って仕込む味噌です。分量や仕込み方には多少の地域差はあるものの、基本的には蒸した大豆に麹と食塩を混ぜ込んで作ります。
あとは空気を遮断して熟成を待ちます。
種類 | 原料 |
---|---|
米味噌 | 大豆、米麹、食塩 |
麦味噌 | 大豆、麦麹、食塩 |
豆味噌 | 大豆、豆麹、食塩 ※豆麹と食塩だけの場合もあります |
地域により好まれる味噌が異なります。
全国的には米味噌が一般的ではありますが、九州地方では麦味噌が好まれる傾向にあり、東海地方では豆味噌が好まれる傾向にあります。また、調合味噌(米と麦を合わせた味噌)は関東以西で好まれる傾向にあります。
熟成期間による違いとは?
味噌の色は、熟成期間に起因しています。
味噌の色には「白味噌」と「赤味噌(淡色味噌、赤色味噌)」がありますが、熟成に伴い味噌の色が濃くなっていくのは「メイラード反応(糖分とアミノ酸が反応すること)」により褐色物質が生成されるためです。
メイラード反応は、着色、香気成分の生成、抗酸化成分の生成などに関与しています。
種類 | 熟成方法 |
---|---|
白味噌(分解型味噌) | 麹由来の酵素による分解反応 |
赤味噌(発酵型味噌) | 酵素、乳酸菌、酵母などによる分解反応 |
白味噌と赤味噌とでは、熟成期間が異なります。白味噌(分解型味噌)は仕込んで2週間ほどで完成しますが、赤味噌(熟成型味噌)は冬に仕込んだ場合にはひと夏を越さなければ完成しません。
熟成型味噌は、熟成期間が長いことにより色が濃くなる傾向にあります。
塩分濃度による違いとは?
味噌は、種類により塩分濃度が異なります。
厳密なルールがあるわけではありませんが、甘味噌であれば7~12%、辛味噌であれば11~13%となるのが一般的であり、食品成分表には以下のような塩分濃度(食塩相当量)が記載されています。
種類 | 塩分濃度 |
---|---|
米味噌 | (甘味噌)6.1% (淡色辛味噌)12.4% (赤色辛味噌)13.0% |
麦味噌 | 10.7% |
豆味噌 | 10.9% |
発酵型味噌は塩分濃度を高くする必要があります。
たとえば、長期熟成を考える場合には「味噌に含まれる水分に対する対水食塩濃度を19%以上」にする必要があります。これによって雑菌(腐敗菌)は侵入することができなくなり、耐塩性の酵母と乳酸菌がゆっくり繁殖していけることになります。
これらのことからも、基本的には「甘味噌=分解型味噌」「赤味噌=発酵型味噌」になります。
【まとめ】味噌の種類は?
味噌にはいくつかの種類があります。それが、原料の違いによる「米味噌、麦味噌、豆味噌」、熟成期間の違いによる「白味噌、赤味噌(淡色味噌、赤色味噌)」、塩分濃度の違いによる「甘味噌、辛味噌」です。