なすは色あせやすい野菜です。
なすの鮮やかな紫色は“ナスニン”と呼ばれるアントシアン系の色素の一種です。ナスニンは水溶性ですのでなすをぬか漬けにすると「なすが色あせる」「なすの色素がぬか床に移る」などの問題が生じてしまいます。
なすの色を鮮やかに保つためには鉄玉子やミョウバンが用いられます。
なすの色素が色あせる理由は?

なすの色素は水溶性です。
そのままのなすをぬか床に漬けると色素が色あせます。なすの色素(ナスニン)には酸性にすると赤く変色するという性質がありますので、pH4.3前後にコントロールされているぬか床に漬けることにより赤く変色していきます。
また、なすの色素は抜けていきます。
水溶性のナスニン(色素)はぬか床の水分に溶け出してしまします。そのため頻繁になすを漬けているぬか床は次第に黒ずんでいきます。鉄玉子やミョウバンで防げるという情報を目にすることもありますが、発色は良くなるもののナスニンの流出は止められません。
事実、上記の画像はミョウバンをもみ込んでから漬けたなすです。
鉄玉子やミョウバンで変色を防げる理由は?

なすは鉄玉子やミョウバンにより変色を防げます。
なすの色素(ナスニン)には金属イオンと結びつくことにより安定化して紫色が鮮やかになる性質があります。そのためなすのぬか漬けには鉄玉子(鉄イオン)やミョウバン(アルミニウムイオン)を用いることがあります。
しかし、必ずしも鉄玉子やミョウバンが必要なわけではありません。
ぬか床には水や野菜、食塩由来の金属イオンが含まれています。材料や管理方法によっても変わってきますが、鉄玉子やミョウバンを使わなくても変色せずに鮮やかな色のなすのぬか漬けになることもあります。
まずは試してみることをおすすめします。
なすの色あせが気になるようであればぬか床に鉄玉子を入れておきます。ミョウバンをすり込んでも変色を防げますが、ミョウバンを使いすぎると食味を低下させますので積極的にはおすすめしません。
傷のあるなすが色あせの原因に?

なすは傷のない新鮮なものを選びます。
なすの果肉には酸化酵素が含まれていますので、皮に傷があると色あせてしまいます。また、野菜全般に含まれているクロロゲン酸という物質には空気に触れることで褐変する性質がありますので全体の色調が損なわれてしまうことにもなります。
ぬか漬けには皮に傷のない新鮮な野菜がおすすめです。
【まとめ】なすのぬか漬けの変色を防ぐ方法は?
なすのぬか漬けは色あせてしまうことがあります。これはなすの鮮やかな紫色がナスニンと呼ばれるアントシアン系の水溶性の色素であるためです。変色を防ぐためには金属イオンが利用されます。ナスニンには「金属イオンと結びつくことにより安定化して紫色が鮮やかになる性質」がありますので「ぬか床に鉄玉子(鉄イオン)を入れる」「ミョウバン(アルミニウムイオン)で下処理をする」などにより見た目のきれいななすのぬか漬けになります。