【理屈で解説】鉄フライパンについて

ゆで卵の殻をむきやすくするには? むけない仕組みと氷水の効果

ゆで卵の殻をむきやすくするには?

ゆで卵には、むきにくいものがあります。

ゆで卵の殻がむきにくくなるのは、卵白に含まれる二酸化炭素(CO2)が膨張することにより“卵白が内卵殻膜(薄皮)に強く押し付けられる”ためです。そのため鍋内部の圧力の上昇する圧力鍋では、むきにくくなることはありません。

よって、ゆで卵の殻をむきやすくするには「卵白を内卵殻膜に張り付けさせないこと」と「張り付いた卵白と内卵殻膜をはがれやすくすること」がポイントになります。

鮮度の落ちた卵は殻をむきやすい?

鮮度の落ちた卵は殻をむきやすい?

殻のむきやすさは、鮮度に左右されます。

これは、ゆで卵の殻がむきにくくなるのが卵白に含まれている二酸化炭素(CO2)の膨張によるものであるためです。二酸化炭素は時間経過により抜けていきますので、鮮度の落ちた卵は殻が張り付きにくくなります。

目安は、産卵後10日前後です。

卵白の二酸化炭素含有量はpHの変化により確認できます。ゆで卵の殻がむきやすい卵のpHは8.6~8.9以上であることが確認されており、卵のpHがそのレベルまで上昇するまでには数日から10日ほどの時間を要します。

そのため、少し時間をおいてからゆで卵にすることがポイントになります。

しかし、時間を置きすぎてしまうと(鮮度を落としすぎてしまうと)硫化水素の発生量が増えてしまうために「変色しやすくなる」「硫黄臭くなる」「気室が大きくなる」などのデメリットが生じやすくなりますので注意が必要です。

冷水で冷やすとむきやすくなる?

冷水で冷やすとむきやすくなる?

ゆで卵は、冷水にとることでむきやすくなります。

ゆで卵の殻がむきにくくなるのは、卵白に含まれていた二酸化炭素が膨張して卵白が内卵殻膜に強く押し付けられるためです。ゆっくり冷やしたのでは卵白と卵殻膜は強く結びついたまま固着してしまいますので、すぐに冷水で冷やします。

冷水で冷やされたゆで卵は、温度差により水分が集まり卵殻膜を膨潤させます。膨潤した卵殻膜は卵白との結合が弱まりますので殻をむきやすくなります。

また、冷やすことでゆで卵の出来もよくなります。

卵の熱変性は60℃くらいから始まり80℃付近で凝固します。しかし、通常のゆで卵は水の沸点(100℃付近)で加熱されていますので、そのままでは過加熱により食感や風味が損なわれてしまうことになります。

ゆで卵を冷水にとることには、最適なタイミングで“タンパク質の熱変性を止める“という意味も含まれています。そのため(真冬は水道水でも問題はありませんが)、基本的には氷水を使って急速冷却することがポイントになります。

圧力鍋で作るとむきやすくなる理由は?

圧力鍋で作るとむきやすくなる理由は?

ゆで卵は、圧力鍋で作るときれいにむけます。

繰り返しになりますが、ゆで卵の殻がむきにくくなるのは卵白に含まれている二酸化炭素が膨張して卵白を卵殻膜に押し付けてしまうためです。そのため、鮮度の落ちた(二酸化炭素の抜けた)卵を使うことがセオリーとなっています。

しかし、圧力鍋であれば卵白が卵殻膜に押し付けられることはありません。

これは、卵白が卵殻膜に押し付けられるのは卵の内と外での“圧力差”が生じているためであり、外(鍋内部)の圧力が高くなっている圧力鍋では二酸化炭素の膨張による卵白と卵殻膜の張り付きが起こりにくくなります。

それにより、圧力鍋で作られたゆで卵はスルッとむけます。

卵殻に穴をあけても効果がない?

卵殻に穴をあけても効果がない?

卵殻に穴をあけても効果はありません。

確かに卵殻の鈍端(気室部分)に穴をあけてからゆで始めることで殻をむきやすくなるという情報もあります。しかし、殻をむきやすくなる効果はとても小さなものであり、主要な実験では“効果がない”と判断されています。

穴をあけるのは、殻が割れるのを防ぐためです。

もちろん、殻をむきやすくするためにも“全くの無駄”というわけではないようですが、殻をむきやすくするために穴あけ器などの購入を考えているのであればおすすめはしません。まずは画鋲などを使って試してみることをお勧めします。

鮮度や冷水ほどの効果は感じられないはずです。

【まとめ】殻をむきやすいゆで卵にするには?

ゆで卵の殻は、卵白に含まれている二酸化炭素(CO2)が膨張して卵白が卵殻膜に押し付けられるためにむきにくくなります。ゆで卵の殻をむきやすくするためには「鮮度の落ちた(二酸化炭素の抜けた)卵を使うこと」と「加熱後はすぐさま冷水(氷水)で冷やすこと」がポイントになります。卵殻に穴をあけることにも多少の効果は望めますが、鮮度や冷やすことほどの効果は望めません。

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