油返しは、熱ムラをなくします。
鉄フライパンに油返しをするのは、温度ムラをなくしてくっつきにくくするためです。「鉄フライパンを熱する→たっぷりの油を入れる→油を回して全体になじませる→オイルポットに戻す」といった工程で行われます。
たったこれだけのことでも、鉄フライパンはくっつきにくくなります。
油返しのやり方は?

鉄フライパンの油返しのやり方です。
油返しとは、油を介して鉄フライパンの熱ムラを解消するためのテクニックです。鉄フライパンは熱ムラにより(温度の低い部分に)食材がくっつきやすくなります。そのため、油返しをすることによりくっつきにくくなります。
鉄フライパンが育つまでの間はやった方が良いです。

鉄フライパンを熱します。油の発煙点付近まで熱することがポイントであり、それによって吸着水がなくなって油なじみが良くなります。

煙が出始めたくらいのタイミングでたっぷりの油を入れます。たっぷりとはいっても、鉄フライパン全体に油が回る程度の量です。入れすぎると温度が下がりすぎてしまいますので注意してください。※画像は少し入れすぎです。

フライパン全体に油を回しながら熱していきます。油返しの目的は鉄フライパンの温度ムラを少なくすることですので、ある程度まで温まればOKです。

オイルポットに戻して調理を始めます。油返しに使った油は(熱しすぎたり不純物が混入していなければ)大きく劣化することはありませんので、通常の調理に使えます。
油返しが不要な場合もあります。
鉄フライパンに油返しをするのは、熱ムラをなくして食材をくっつきにくくするためです。熱ムラのできにくいコンロを使っていたり、多少の熱ムラができてもくっつかないくらいまで鉄フライパンが育っている場合には必要ありません。
部分的にくっつきやすい場合には必要なテクニックになります。
鉄フライパンに熱ムラができる理由は?

油返しは、熱ムラをなくすために行われます。
鉄フライパンには熱ムラができます。これには2つの理由によるものであり、それが「鉄フライパンの熱伝導率が良くない」ことと、「ガスコンロのSiセンサー部分が温まりにくい」ことによるものです。
熱ムラができると、温度の低い部分でくっつきやすくなります。
原因 | 仕組み |
---|---|
熱伝導率 | 鉄は熱が伝わりにくい |
Siセンサー | センサー部分の温度が上がりにくい |
鉄の熱伝導率は、約67(w/m・K)です。
鉄フライパンは熱伝導率が良いといわれることもあります。しかし、これはフッ素樹脂加工(テフロン加工)のフライパンと比較してのことですので、実際には銅やアルミなどと比べるとお世辞にも良くはありません。
そのため、熱ムラをなくすための油返しが必要になることもあります。
おすすめのオイルポットは?

鉄フライパンにはオイルポットがあると便利です。
油返しをしない場合にはオイルポットは必要ありません。しかし、油返しをする場合には(油を繰り返し使用するためにも)オイルポットがあると便利です。また、鉄フライパンで揚げ物をする場合もあった方が良いです。
おすすめは、受け皿付きのオイルポットです。
オイルポットの性能(濾過フィルターの有無など)やデザインに関しては好みで選べばよいかと思いますが、どんなオイルポットであっても少なからず“液だれ“はしますので、受け皿付きのものをお勧めします。
受け皿のないオイルポットは掃除が大変です。
【まとめ】鉄フライパンの油返しとは?
鉄フライパンは、油返しによって熱ムラをなくします。油返しは、「鉄フライパンを熱する→油を入れる→油を全体に回す→オイルポットに戻す」ことによって行われます。たったこれだけのことでも、熱ムラがなくなるために鉄フライパンは使いやすくなります。